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短編 深夜の空腹
 久々に取ることができた連休ということもあり、気分は至って穏やかだった。
 特に何かするという事もなく、ただ惰性に時間をむさぼる。
 それが現在の自分にとって、至上の幸せのようにも思えた。
 とはいっても、独り身の人間にとって何もせずに一日を終えるだなんてことは不可能だ。
 洗濯や掃除は後回しにすることは可能でも、食事ばかりはどうしようもない。
 何かしら買いだめでもしていれば最小限の労力で腹を膨らませることもできただろうが、生憎在庫切れだ。
 当初はこの連休に買いだめしておこうと思っていたのだから、外出しなければ食料が増えることはないのも、当然のことだろう。
 朝と昼は適当にコンビニで買ってきたもので済ませた。
 夕飯も近くのファーストフード店。
 栄養価がどうとか言われそうだが、普段は社食と栄養価を気にした弁当で済ませているので、たまにはこういうだらけた食事でもいいだろうとの思いからだった。
 ただ、唯一の失敗はついでに食料品や飲料を買ってくるのを怠けてしまったということだ。
 とにかく、腹が減った。
 夕飯は食べたのだが、時間が悪かったのだろう、深夜の0時近くになるとちょっと何かしらをつまみたくなる。
 かといって水で空腹を紛らわせるという気にもなれない。
 今からコンビニまで出かけてくるというのも、少しばかり億劫だ。
 色々と面倒がっているのが原因だとわかっているのだが、それを今になって悔いても仕方がない。
 せめてカップラーメンでもいいから、何か胃袋に詰め込みたい。
 お湯を入れて三分。
 蓋をはがして麺をほぐしながらスープと絡める。
 そして改めてちぢれた麺をすするのだ。
 濃い目のスープが麺と共に口の中に飛び込んでくると、舌の上で旨味と塩味が踊り出す。
 しかしそれも一瞬。
 柔らかでありながらもスパイスの風味を含んだ空気が麺の隙間から飛び出て、口の中を一周。
 そして鼻へと抜け出ていく。
 後を引く味というのだろうか。
 早くも最初のあの濃い味わいが恋しくなる。
 麺が濃いスープを引き連れて胃袋へ流れていったせいかもしれない。
 液体をまとった麺の喉越しは驚くほどに快感だ。
 二口目、三口目と、箸が止まらなくなる。
 たまに入り込む具材もまた逸品。
 今まで不足していた甘味と旨みがアクセントとなって幸福感を増長させる。
 そして最後、スープを飲み干して一息つくのだ。
 ……想像してたら余計に空腹がつらくなってきた。
 今日はもう、何も考えずに寝た方がいいかもしれない。
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