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短編 アオい時代
 まるで巨大なカーテンで覆われているかのような星空は、常に揺らめき、違う表情を見せてくれる。
 ある星は強く輝き、また別の星は輝きを弱めて。
 それが数千、数万あるいはそれ以上で絶えず行われていくのだから、きっと同じ光景を生きている内に目にすることは、不可能だろう。
 この日、この時しか見られない風景。
 それが毎日、毎夜、こんなにも近い場所で繰り広げられているだなんて、意識したこともなかった。
 だからこそ、こうして自分の視界以上に広がる壮大な存在に、目も心も奪われているのだろう。
 だが、それも永遠ではない。
 いつか日は昇るし、人の夢は覚める。
 今こうして抱いている感情すら、数年後には消え去っているかもわからない。
 そう考えてしまうと、自分が自分でなくなってしまうのではないかという不安を感じずにはいられない。
 ――いや、自分とは何なのだろうか?
 何をもって自分なのだろう。
 自分という存在の定義がわからない。
 人間であるが故、思考や感情が変わっていくのは当然のことだ。
 では、何が変わらないのだろう?
 絶えず輝き続けている星々も、その存在自体が消えたり現れたりしているわけではない。
 でも、それは存在する位置であったり、大きさであったり、影響力であったりで、他の存在との違いを区別化することが可能だ。
 人間は星とは違う。
 ずっとその場に留まっているわけではないし、成長も衰退もする。
 何一つ同じ状態でいることはない。
 種族や文化形態の枠で見ても、同じような存在は多数存在している。
 周りの存在と比較して、相対的に自分という存在を確認しているだけではないだろうか。
 確たるものが欲しい。
 とある人は心は変わらないだとか言っていたような気がする。
 でも、テレビの中の話だったし、別の人にコテンパンに言われてたから内容はそれほど頭には残っていない。
 ただ、心ってそんな不変なモノなのだろうかと、そんな疑問をこうして、今ぼんやりと考えている自分がいる。
 夜は長い。
 冷たいようで、でもどこか柔らかい風を浴び、露の匂いに包まれながら、東の空が紫陽花色に染まるまで、じっくり考えるのも悪くない。
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