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短編 後世へ伝える術は
 油と金属、そしてどこか焦げ臭さの残る空気は、ハッキリ言って好き嫌いが分かれる空間といえるだろう。
 だが、好きだから、嫌いだからと言っていられるのはふらりとその地を訪れる人間の話であって、その地で働く者たちによっては、それは何の意味もない。
 職業によっては職人という肩書は幾らかではあるがプラスのステータスといえるだろう。
 だが、そんな彼らに素材を提供する作業員たちの待遇は決して好条件とは言い難い現状があった。
 着ている作業服を油で汚しながら、機器のメンテナンスを行う姿は、傍目にはいかにも働いている人間という印象を与える。
 そこに生きがいを見出した人間は、そのまま現場に残り続け、自分に合わないと見切りをつけた人間は、その地を去っていく。
 職業選択の自由というものが与えられている現在。
 そこで働く人間の年齢層は上がり、若者の姿はどんどん減ってきていた。
 しかも、新たにやってきた若者たちに対して、自分たちのやり方を貫く様子は、美徳というのか、それとも傲慢というのか、意見は分かれるだろう。
 時代というものは常に流れている。
 そこで自分たちが変わらない事が何を意味するのかというと、新しい世代との断裂である。
 華やかさとは無縁の業界。
 それでも人々がやってこれたのは、それに見合うだけの見返りがあったからだった。
 ところが最近は不景気のあおりを受けて、それまでと同じ条件とは決して言えない。
 それは業界の盛衰に左右されるモノが大きい。
 それを理由にするというのもおかしな話ではあるが、現実問題としてそうであるのだから仕方がない。
 他の業界でも後継者不足だとかが嘆かれている。
 しかし、それは今まで通りのやり方を続けようとしているが故であることを前提としての話だ。
 現在、自分たちのやり方しか知らない人間が多い。
 いや、むしろほとんどがそうだろう。
 それを続けようとするなら、いずれ人心は離れていく。
 時代と共に移りゆく価値観。
 そこに見合う何かを、努力して提供するのが、後世への努めであるといえなくもない。
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