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短編 退屈な弁当屋
 街にはいろいろな店が存在するが、その店はその中でも少々特殊な部類に属するだろう。
 カフェ、専門飲食店、雑貨屋、ドラッグストアにリサイクルショップ。
 他にもオリジナリティあふれる店やらビルが門戸を開けている中、弁当屋というのは少々場違いな気がしないでもない。
 もちろん、そこにあるのがおかしいという意味ではなく、オシャレだとかスタイリッシュな街並みの中、急に庶民的な存在が入ってきて、個人的に浮いて見えるというだけの話なのだが。
 店の入り口は平凡な自動ドア。
 開くと同時に呼び鈴が鳴る様になっていて、店内では惣菜も販売している。
 店舗の広さもさほどあるわけではなく、入って十歩も進まないうちにレジへと到着する。
 惣菜の種類も様々で、金額は均一。
 量り売りの形式になっており、計算に易しい設計だ。
 販売する弁当のリストもそれほど種類が豊富というわけではないが、ライスの量を調節できたり色々と融通を利かせてくれる点は他店にはない特長といえるだろう。
 もっとも、利用者のうちどれだけの人が注文を付けるかというと、さほど多くはなかったりするが。
 そんな店であっても、やはり昼時や夕刻はそれなりに繁盛していたりするので、立地というのもかなり重要な要素であることは、肌で実感するに難くない。
 それはこの立地が商店街だとか住宅地に近かったりしたら、数か月で撤退をしていたかもしれない。
 というのも、利用者の大半は独身と思われる会社員らしき風貌の人々だからだ。
 売り上げの大半――7割くらいがそうなので、ほぼ間違いないだろう。
 残りの3割は惣菜を買いに来た近隣に住んでいる主婦たちだろう。
 中には学生も含まれているが、それはごく少数で、定期的というわけでもない。
 近くに店内で飲食できる店舗が並んでいるのに、弁当屋を選ぶというのは、やはり家で何かを食べたいだとか持ち運びできる温かい食事というのが最大の利点なのかもしれない。
 ……なんだかプレゼンみたいな形になってしまったが、あながち間違いでもないだろう。
 少なくとも、現在の自分はそう見ている。
 自動ドアが開く。
 時計の針は夕刻を示していた。
「いらっしゃいませ~」
 来客にあいさつをしながら、いつもの弁当の準備を始める。
 ここで働いて随分になるが、手慣れてきたものだと、自分自身思い、笑いが漏れた。
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