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短編 ラインワールド
 この世界はどんな要素で構成されているのだろうと考えることが時々ある。
 そんなことを考えてしまうのは、やはり現実に不満があるからで、それを否定できないのも確かだ。
 生き苦しさというのだろうか、身体の内側から張り詰めた何かが圧迫してくるような、そんな感覚が焦燥感を煽り立て、精神のゆとりを蝕んでいく。
 余裕がなくなっていき、冷静な判断がくだせなくなってくる。
 たとえるなら、逃げ場のない回廊へと閉じ込められ、徐々に空気を抜かれていくかのような、死を限りなく近くに感じるような心地。
 こんな思いをするなら、いっそのことこのまま消えてしまった方が楽だと思うようになる。
 どうして世界はこうも直線的なのだろうか。
 善か悪か。
 二元的な価値観が蔓延し、それを無意識のうちに盲信してしまっている。
 それがどうにも耐えられなかった。
 直線によって形作られた世界。
 それは、人間の心すらも真っ直ぐ切り分ける。
 柔らかさだとか丸さだとか、そういった要素は見事に切り捨てられ、排除される。
 よく、障害は乗りこえられる人間の前にしか現れないだとかいう言葉を放つ人がいるが、それは信じがたい。
 都合の良い言葉で納得させようとしているだけにも思えるのだ。
 それも当然だ。
 自分が経験し、乗り越えたことのない障害など、他人にアドバイスできるはずがないのだ。
 それを口にするという事は、胸の内では自分が教えてあげているという精神的優位に立ちたいという願望の表れでもあると考えている。
 そう、線引きをして、判断していく世界。
 平等だとか、公平だとか、上辺で存在しているだけの世界。
 そんな世界よりも、もっと柔和で、暖かな世界に、生まれたかった。
 上手く笑う事も出来ず、周りに卑下されるだけの人間は、今もこうして独り自分の身体を直線で切り刻む。
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